加戸 敏(かと びん)

1907年6月20日/神奈川県横浜市

本名・加藤善太郎。関西高等工業専門学校を中退後は、しばらく記者生活を送っていた。初めは劇作家志望だったが、島津保次郎監督の「隣の八重ちゃん」を見たのがきっかけで映画監督を志す。34年に新興キネマ(42年に大映に吸収合併)の京都撮影所助監督部に入社。伊丹万作監督の「忠次売出す」(35年)についたのち、野淵昶監督に師事。「城を守る少年」(43年)の監督補を経て、47年に記録映画「ピラミッドの街」で監督デビュー。以後、「白髪鬼」(49年)をはじめ、スリラー、メロドラマ、時代劇、ホームドラマとあらゆる種類のプログラム・ピクチャーを手掛けた。54年に入江たか子主演で「怪談岡崎騒動」を撮ってから、化け猫もので時代劇作家としての地位を確立。その後、長谷川一夫と組んで「鼠小僧忍び込み控」「死美人風呂」(57年)などを撮り、大映ドル箱監督となる。しかし、59年にタイ国ロケの大作「王者の剣」で失敗してからは不振が続き、65年に大映を退社。テレビ作品の演出を経て、晩年は近畿放送で競馬の解説者をつとめた。82年7月27日、脳出血のため京都市内の病院で死去。一男一女あり。

1955.03.25 次男坊判官
1955.09.06 綱渡り見世物侍
1955.11.01 いろは囃子
1955.12.07 怪盗と判官
1958.01.15 遊侠五人男
1958.04.29 命を賭ける男
1958.11.08 濡れ髪剣法
1959.05.01 山田長政・王者の剣