チャンバラスタアのおしゃれ放談
「喧嘩鴛鴦」の岐阜ロケがすんで、今夜は十時からアフレコがあるという雷蔵さんが五時十五分につき、十五分ほどしてから橋蔵さんと千代之介さんが連れだって、会場に現われました。
千代之介さんは、今晩鳥取にできた劇場のコケラおとし(完成記念会)の挨拶にでるとかのおはなしで、その仕度でてんやわんやのところを、御無理していただきました。
日中の、むすような炎暑も去り、ひとしきり降った夕立に洗われた会場のもみじの緑が濡れて、えもいわれぬすがすがしい夏の宵の風情をそえています。
雷蔵さんは衣裳もち
本誌 おつかれのところをどうも。今日は時代劇の方にいろいろと現代のおしゃれを語っていただきたいのですが・・・橋蔵さんと雷蔵さんがシングルの背広、千代之介さんはダブルですね。
ダブルがお好きなんですか?
千代之介 というわけでもないんですが。こないだ新調したばかりで・・・
雷蔵 ニューやね。
千代之介 今まではほとんど兄貴のお下りでした。何しろ初めて新調したのが去年の暮です。それも名古屋東映にでるんで止むをえずに・・・まさかお古もきていけないので・・・。
橋蔵 ちょっとした重役さんですね。(一同笑声)ぼくは大体シングルばかりです。
千代之介と橋蔵さん「イギリス・スタイルね。あれ威厳があってよろし・・・」雷蔵さんの御高説をハイチョーです。

雷蔵 あんたのもぼくのも三つボタンやね。どんな型がいいか一がいに言えへんけど、イギリス・スタイル、あれぐっと威厳があってよろし。皇太子さんの着てられるのがそうやろ。ズボンの太さは10インチ半ぐらいでね。流行は9インチぐらいやけど・・・。
千代之介 雷蔵さんなかなかくわしいですね、おしゃれについて・・・。
雷蔵 いやあ、それほどでもないわ。

市川雷蔵さん
本名太田吉哉 昭和6・8・29生まれ 市川寿海の養子として関西歌舞伎に活躍 大映京都作品「花の白虎隊」でデビュー。代表作に「新平家物語」「又四郎喧嘩旅」がある。
橋蔵 ぼくはあまりセビロもってないけど、みんなどれくらい?ぼくは十五着位季節毎に四着位ずつつくって行くんですけど・・・
千代之介 ぼくも十五六着
雷蔵 三十着ぐらいかしらん・・・よう知らへん。