愉しき新コンビの誕生に「面白い映画を作って下さい!」と語り合うベテラン記者の話はずむ夕べ!

 

橋もおどろく国際の入り

B 国際劇場における橋幸夫の人気はすごかったね。

A うん、国際の裏方さんがおどろいていたよ。ワンマン・ショウじゃ美空にばり以来の入りだ、と言ってね。

C 警官が七十名も出動するする騒ぎなんだからたいしたものだ。

B そんなに警官を動員したのかね。オドロキだナ。

A 一日に二回も札止めしたんだから、何しろたいへんなものだ。

C 女の子が舞台にかけ上っちゃってね。「橋さん、さわらせて!」といった具合で、彼の全身はアザだらけだった(笑)

B ほんとかい?

C 君みたいにモテない男には、ちょっと想像もつかんよ(笑)

B ところで、橋の場合、映画はどうなんだろう?

C それほど人気あるのに、映画の方はさっぱりだった。もっとも、今度の『おけさ唄えば』は違うだろうがね・・・

B いままでに『潮来笠』と『木曽ぶし三度笠』に出ているが・・・

C 映画はたしかに不入りだったよ。封切館でも、毎日、数百名しか入らなかった。

B フーン、そんなにひどかったのか?

C 千台にならない。日活の宍戸錠なんか、はじめての主演もの、例の『ろくでなし稼業』で八千名も動員している。

A しかし、橋の場合は、主演もにじゃないしね。地方では売れているよ。

B そういう話だな。

A 三本立ての一本として、プリントは引っ張りダコさ。どんどん買いに来て、何ヶ月もフィルムの行先が決っている。

C 入りがよくないのには、その理由がある。タイトルに橋の名が出ているのに、少ししか橋の出番がないんだ。それで、ファンはガッカリしちゃう。

B ファンの反感を買うわけだナ。

A それに広告も少なかったし、宣伝も行きとどかなかったというのも理由だろう。

B 大映の方針としては、どういう風に橋を考えているんだろう?

A 社の方針としては、だんだんに橋を慣れさせよう、という考えのようだ。

C 日活あたりと考え方が全然ちがうんだナ。日活の場合だったらいきなり一人で主演させるだろうね。

B 和田浩治の場合なども小林旭とくっつけて売り出し、それからいきなり一人で撮っている。

C 死んだ赤木の場合もそうだった。裕次郎にくっつけて、二本目からいきなり主演をやらせたからね。

B それも白黒じゃない、いきなりカラーの娯楽作品を撮った。

C 日活の強引作戦が、そのまま成功したわけだ。大映とは考え方がちがうんだ。