
|
分けへだてのない雷蔵さん 雷蔵さんと仕事の上でのお付き合いは、『千姫』以来で、いま『炎上』を終って引き続き、『濡れ髪剣法』にかかっています。人はどう思うか知りませんが、私が雷蔵さんの人柄で一番感心することは、いまや押しも押されもせぬ大映時代劇を背負った大スターになっていながら、私たち裏方に対する分け隔てのない態度が、いわゆる新スター時代と少しも変っていないことです。一応照明の責任者としての私には勿論、セットの天井裏ともいうべき高い足場にいるライトマンにも同じ調子で声を掛け、冗談口も叩くという雷蔵さんのザックバランな人柄は、なかなか他のスターさんには見出せない親しみと心易さを感じさせてくれます。 しかも、それが所長さんであっても思ったこと感じたことは、われわれに対するのと同じ調子でズバズバいっていると聞きますから、本当に気持のいい人だと思います。見様によってはそれは「子供っぽい」と云う人もあるかも知れませんが、今度の『炎上』で示した雷蔵さんの素晴らしい名演技に対して誰が子供っぽいと云えるでしょうか。雷蔵さんの飾り気のない好感のもてる意欲を一層搔き立て、いつまでもわれわれの仲間という感じを失わせないだろうと信じています。 失礼ながら若いに拘らず、大変よく出来た好青年だと、いつも仲間同志で語り合っていることです。 (筆者は大映京都照明技師) (よ志哉7号より) |