大映京都『眠狂四郎 勝負』(三隅研次監督)で、狂四郎の市川雷蔵が、フロ屋の湯ぶねで立ち回りを演じている。狂四郎がすっぱだかになって、フロ屋で湯につかっているとき突然、刺客に襲われるところだ。この刺客にどう対決するかが、興味をそそるが、実は正体不明の女性が隣の湯ぶねをとおして、狂四郎の愛剣無想正宗を手渡すという仕組みになっている。

 セットに組んだ湯ぶねには湯がはられ、周囲を大きなビニールでかこい保温している。ほんとうにすっぱだかになった雷蔵は、いい気分で湯をけたてて剣を振るっていたが、「男とはいえ、やはり見られているとはだかははずかしいナ。変った場所での立ち回りだけに、新しい型を作ってみました」といっていた。(西スポ 12/27/63)