狂四郎シリーズ第九作『眠狂四郎無頼控・魔性の肌』(監督・池広一夫)は題名どおり女優陣が多数出演、雷蔵狂四郎を悩殺しているが、なかでもお色気では定評のある久保菜穂子が、大ハッスルで雷蔵をまどわしている。

 久保の出演は、前回の『眠狂四郎女妖剣』でみせた脱ぎっぷりのよさを買われてのものだが、それだけに狂四郎とのぬれ場も一番多い役柄だ。

 久保の演じるおえんは、手練手管にたけた矢場のあねご。世をすねた狂四郎と、真っ昼間から異常な情事をたのしむといった大変な役だが、強烈なエロチシズムで鳴るこのシリーズ三度めの出演とあって手慣れたもので、早くもセットになまめいたふんいきをかもし出している。

 手酌でのむ狂四郎に、燃える肌をすり寄せ迫るおえん。雷蔵、久保の息もピッタリ合って、セットの温度も急上昇するかのような熱っぽい演技だ。

 熱演のあまり、乱れた髪をかき上げながら久保は、「狂四郎ムードが好きなせいか、脱がされると思っていても、ついつい引き受けてしまいました。出演したかぎりは、お色気ムードで雷蔵さんを悩まさなくては・・・」と、自信じゅうぶんのようすだ。ともあれ、共演の鰐淵晴子、長谷川待子、渚まゆみら女優陣とのお色気合戦がみものというものだ。(西スポ 06/20/67)