錦秋の湖東にロケ地跡を巡るツアー

◆京都文化博物館三日連続上映を楽しんで、錦秋の一日を湖東ロケ地巡り◆

おまけ:前日篇

10月24日(金)に田中監督ご夫妻と島原・角屋を見学しました。

 幕末が舞台の映画に、島原「角屋」は祇園と並んで必ず登場する定番の場所。雷蔵主演映画ではこの↑『大菩薩峠』の他、『新選組始末記』『鞍馬天狗』等に登場し、ビデオで見比べる楽しみもあるのですが・・・私見としては、内藤昭美術監督の映画人としての技の光るこの『大菩薩峠』がピカ一!のように思うのですが・・・。(ちなみに、すべてセット撮影。本物の「角屋」でロケはしていないそうです。)

 

角屋の玄関先で話すお松と兵馬。

  

現在の玄関先や暖簾のアップと較べてみてほしい。

 「扇の間の大宴会」

  

 角屋二階「扇の間」の様子は映画では↑な具合なのですが(襖に扇面がちらしてあるのが分る)、天井に五十八枚の扇面を貼り交ぜているところから「扇の間」と称したのが本当。その上、「御簾の間」に至っては・・・・映画では↓のように竜之介の後ろに御簾が見えて、錯乱した彼がこの御簾をばっさばっさと切り裂くわけなのですが・・・・。

 

 これまた、本物は襖が山田峨山筆になる極彩色の「総翠簾の絵」(随分退色していて、さっぱり翠色には見えない)であることからこう名付けられたそうで・・・申し訳程度に御簾があるにはあるのですが・・・・ばっさばっさと斬るのは到底不可能!

 おまけに、角屋のうらに小川も流れず、従って妖しい霧やら靄のかかるはずもなく・・・映画の作った虚構の世界を私たちは虚構と知りつつ愛し、その上こうして舞台となった場所までやって来るのですから・・・。えらい!(ただの、自画自賛)

 また、二階のそれぞれ趣のある座敷は当時の照明の関係で(蝋燭)煤けているのはしたがないとしても、「青貝の間」は壁、建具等いたるところに青貝をちりばめた豪奢な座敷。タイムスリップを敢行して建築当時に行ってみたいと切に思いました。

 百数十年前の新選組や勤王の志士たちは、もっときれいな座敷で密議を凝らしていたのでしょう。それにしても、廊下があるとはいえ襖一枚を隔てて敵同士が密議を凝らしてもちっとも不思議ではないというのは、花街の特性なのでしょうか?それとも幕末という時代が特別だったのだのかしら?

(下の写真の説明看板によると、「角屋」は久坂玄瑞が密議をこらした場所とある。新選組だってここで密議を凝らし、深雪太夫と近藤さんも愛を育てたのね。)

 

密議の懲らしようのない私達は、記念撮影をして角屋を後にしました。