| 理論家で毒舌家でユーモラス 「雷ちゃんの口の悪いのは有名。でも、それが不思議に当を得ているので、いったん怒っても、あとでなるほどなアと感心させられちゃう。歯に衣をきせずズケズケ言われることも、かえって雷ちゃんの魅力になっているんじゃないかしら。だから以前は、顔さえ見れば、にくまれ口をたたいてケンカをしていた犬猿の仲。でも、私が病気をすると、一番さきにお見舞いに来てくれたりする親切なかたなんんです」 と、『美男剣法』や『鬼火駕籠』で共演した嵯峨三智子は、彼の素顔を語っている。 雷蔵の毒舌ぶりは、あまりにも有名だが、彼が後援会で行なったファンとの一問一答を録音してみよう。 − 雷蔵さんご自身の性格について、どう思いますか。 の質問にはすかさず、 「あなたは僕の性格を、どう思っておりますか」 と、相手を絶句させてしまうし、 − 年賀状にサインがしてありましたが、あれは雷蔵さんのものですか。 「それを聞いてどうするんですか。僕のでなければ・・・」 とズバリ言う。 − 雷蔵さんはラブシーンが下手ですが・・・。 「だいたいラブシーンというものは人に見せるものではないでしょ。それを人に見せるようにやる。だからむずかしい」 − 大映の企画が悪いと思いますが・・・。 「じゃ、あなたは私にどうしろとおっしゃるんですか」 そのときに応じてスルリと逃げたり、逆襲したり、ドライな近代青年なのである。 もう一つ実例をあげよう。南海の杉浦忠捕手がある日、セットを訪問した。そして、雷蔵と語り合った。
こんなぐあいである。理詰めで押して、自分の体験から割り出し、一般の説に反発するという行き方。彼と語り合った者すべてが言う、彼の印象である。 |