一カ月後には5位に入っています。しかしながら、一位の錦之助とは2500票差!

 いよいよ終盤戦に入った。はたして各スターの票はドッと増し、王座獲得への激しい争いを展開しはじめた。

 男優陣では友右衛門が必死に王座を狙ったが、錦之助の堅塁を抜き返すことが出来なかった。だが、葉山を抜いて二位に返り咲いた。扇太郎が大木、鶴田を抜いて七位へ上り、東映時代劇若手三スターが、ベスト10にくつわを並べているのはまことに壮観である。菅原よく頑張って、森繁を抜き十位に返り咲き、大映現代劇の唯一のホープの面目を保っている。中位、下位とも各スターの票は相当増したが、各人平均した票で、順位には殆んど変動はなかった。ただ夏目の躍進が凄まじく、二十二位へせり上った。一度圏外に姿を消した川喜多が、再び三十位に顔を見せた。

 女優陣では依然美空が好調をつづけ、若尾との差を開いたが、安西の躍進が急ピッチで四位へ上り、北原に僅差に迫ったのが圧巻。北原もよく頑張って三位へ進み、森また票を加え、おかげで高千穂は三位から一挙に六位へ転落し、東映女優陣には侘しい日だった。他は平穏無事といったところだが、司の進撃が目につき、雪村がはじめて二十九位ながら顔を出したのが目についた。

02/11/56

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