◆◆本紙86号でお知らせした通り、大映では今後積極的に新人登用を行い、常時大映映画に清新の気を注ぎこむことになったが、七月定例計画委員会の席上、東西撮影所より引続き新人スタアとして、東京より六名、京都より四名、計十名の男女優を第一線におしだすことを決定した。◆◆

 

(東京撮影所)

 『真白き富士の嶺』で仲よくデビューした林成年市川和子の御両人は、今回大映専属契約をすまし、いよいよ本格的にスターダムをめざして漕ぎだすわけであるが、林成年はこれが終ると直ちに九月作品『君待船』に、南田洋子、沢村美智子、田端義夫を相手に第二回主演が決定するという幸先のよいスタートぶり。市川和子は、現在千代田区の某高校に在学中の昭和14年生まれのお嬢さん。『真白き富士の嶺』で異例の抜擢をうけたシンデレラ・スターである。

 同じく同映画から飛びだした新人城川暁子は、松竹歌劇団出身。昭和29年大映入社、昭和8年生まれ、五尺二寸(約158センチ)、十三貫五百(約50キロ)の恵まれた身体を誇るフレッシュ・ガールである。

 直木明は、多摩川演技研究所卒業生で、大正15年生まれで、鳥取県米子市の産。鳥取師範を卒業した変わり種である。五尺七寸五分(約174センチ)、十七貫五百(約63キロ)の体躯は男性スタアの資格充分。『緑の仲間』では加納大介で出演している。

 夏木章は、昭和3年東京の生まれ。日本映画俳優学校演劇科を卒業して、昭和20年大映入社。これまた五尺六寸五分(約170センチ)、十八貫(約65キロ)という立派な身体で明日の大映スタアをめざしている。

 泉静治は、最近『こんなアベック見たことない』でクローズ・アップされたバイプレイヤーであるが、今後は二枚目どころでない新しい役どころで、大いに進出するという。

(京都撮影所)

 時代畑には、新人スタアが出にくいというのが定評であるが、今回『花の白虎隊』では珍しく新しい時代劇スタア四名が登場するのも、大映映画にとって誠に心強い限りである。

 その一人市川雷蔵は、関西歌舞伎の若手、扇雀、鶴之助と共に三羽烏と言われたホープで、その優れた素質と将来性は『花の白虎隊』でとっくり御鑑賞を御願いしたい。

 花柳武始は、人も知る花柳章太郎の二男(長男は花柳喜章)で、本名は青山健吉。昭和26年六月に劇団「新派」に入座し、「息子の青春」をはじめ林房雄の青春シリーズ五篇に出演して認められ、今回永年の念願がかなって映画主演となったものである。

 勝新太郎は、長唄の名門杵屋勝東治の次男としてこの道ではすでに「源氏物語」「たけくらべ」「雪女」等の新曲を発表、昭和26年杵屋勝丸を襲名。今年吾妻徳穂の渡米巡業にしたがって、アメリカ各地を回り、帰朝早々今回の映画入りとなったもの。本名は奥村利夫、昭和6年生まれ。

 高倉一郎は、本名を鎌田文夫、昭和6年生まれ。東京歌舞伎の名題市川明三郎に師事、若女形、二枚目を得意とし、今回師匠の許しをえて映画入りを志した新人である。

 

 
 

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