大映カラー、総天然色の本篇は木村恵吾監督の下に着々進捗中であるが、天然色映画としてはすでに斯界の権威であるが、良い上にも良いものにと慎重な仕事振りである。

 過日は御殿場ロケを敢行。四日間に亘って行われたが、ここは妙な天気の所で、朝雨が降ると、その日は天気が良いという所で、馴れぬ者は朝眼を覚ますと雨の音で「こりゃ、今日は撮影なしか、のんびり出来るわい」と思っているのが大違いと分って大あわて。

 ロケ隊は御殿場館、大国屋、松屋の三つに分宿したが、その日は何か表がものものしいので、聞いてみると、木村防衛長官が自衛隊の開校式に来るというのでこの騒ぎ、と、思ったら、実は京マチ子の千姫を見たいための群衆の混雑が、これに輪をかけていることが分った。

 おかげで、木村長官の方はそこのけで、自衛隊員が、この群衆をジープの通るために交通整理を買って出ざるを得ないという騒ぎ、それでも撮影は大騒ぎの群衆を尻目に完了。この日の出演者の、京マチ子、菅原謙二、三田隆、山形勲をホッとさせた。

空前の猛撮影 、大成功に終る

 西オープン一千坪に建てた大阪城大セットは、着工一カ月、高さ十二間(石垣の高さ五間)、幅四十間、本壁、本瓦(五千枚を使用)の空前の大スケールで、この大火災撮影は去る二十四日深更に敢行されたが、太秦消防署の総動員、スタッフも消火器百数十本を用意して防火に万全を期し、無事クランクを終了した。

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