前回までの各スター・歌手陣ベスト20は、その後も順調な得票で激しい競り合いを続けているが、今回は多数ファンの要望に応えて二十一位から四十位までの各スター・歌手を別表のように取り上げてみた。

       

葉山、千恵蔵ら顔接す

歌手では高と織井が筆頭

 男優では日活の新進葉山良二を筆頭に池辺良、片岡千恵蔵、木村功と渋いスターがわずかの差で顔を並べ、女優でも原節子、高峰三枝子、山根寿子らに草笛光子、杉田弘子、浦里はるみといった新旧両スターがおもしろい対照をみせて、それぞれ三百から五百の票を得ている。

 男性歌手では現在トップを続けている小畑実から春日、三橋、三浦、若原と十位までがもっとも脂の乗り切った花形歌手、つづいていわゆるくさってもタイのベテラン歌手が二十位までに多く、さて二十位以下は別表のようにシャンソンの高英男を筆頭に、最近「若いお巡りさん」で人気の出てきた曽根史郎「16トン」「ハート・ブレーク・ホテル」とウエスタンの小坂一也、これまたシャンソンの芦野宏、笈田、柳沢、武井といったジャズ・シンガーが意外このあたりでクスぶっているのが目立つ。野沢、W・沖山、由利、山形、高見沢らの新人が四十位近くであまりふるわないのは、彼らが一曲もこれといったヒットを持たないことを物語っている。

 女性歌手では「黒百合の歌」以来不振気味の織井茂子が二十一位、「ポルトガルの洗たく婦」など活躍目ざましい可愛いシャンソン歌手中原美紗緒が意外にも二十五位とはどうしたことだろう。コロムビアからお座敷ソングで売り出している花村菊江もまだ本当の人気が出ていないようだ。

デイリースポーツ 56年8月26日

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